最後の晩ごはん 地下アイドルと筑前煮 (角川文庫) by 椹野 道流 ダウンロード PDF EPUB F2
シリーズをいっきに読んでいます。
今回も面白かったです。
(ネタバレ、ダメだしあり)
作家さんは、悠子さんに良いこと言わせようと頑張ってますが、微妙に無理矢理感が…。
ポジティブ過剰な主人公だから、「あ、そうですね。ありがとうございます!」と謎の解釈になるけど(既にこの思考自体が怠慢に感じる)、正直、彼女が何言ってんのか良く分からない。
もしかしたら、作家さん自身が、例えば、「なんでも人種差別と言えば無理が通るのは、むしろ弱者を装う強者だ。」と書きたくても、出版社が、面倒ごとは避けましょうと書かせてくれない、結果、理由もないのに意見が通る人がいたり、周りが指摘しないから、自分が正しいと勘違いして増長する人がいるかもしれない、一方で本来持っているはずの自由を抑制される人がいることに苛立ちを感じているのかもしれない。
なら、匂わせみたいな中途半端なやり方じゃなく、読者にわかる文面にしてもらわないと作品に反映する意味がないかも。私は難しい本が好きじゃないから、特にそう感じました。
むしろ、主人公の、何でも良い方向に解釈し過ぎる癖を指摘してやってほしい(だって、それこそ逃げだし、目を背ける行為だから)。
今回の悠子さんと主人公のやり取りでは、結局、主人公が悠子さんに忖度して、ことなかれな方法で終えていて、悠子さん自身が言ってることと、弟子にやらせていることの整合性が取れてない。
職場によくいる仕事ができないのに、なぜか出世するタイプの上司みたいになってしまった。
無理矢理感銘を受けることを言わせようとして台無しになるくらいなら、言わせなくて良いかな。
格言集じゃないから、無理に登場人物達に良いこと言わせない方が自然な気がします。