発行元 石川 聡彦 .
エディションノート
第3次AIブームが起こり、現在はAIの活用に関心が移りつつある。著者らはHAI(ヒューマンエージェントインタラクション)と呼ばれる、擬人化エージェント(ロボットやAI)と人間の相互作用を研究しており、本書ではこのHAI研究を通じてAIにココロを持たせる(持っているように思わせる)デザインとその効果をわかりやすく解説している。
マインドインタラクションは著者の造語で、人と人工物が持つココロの間でやり取りされる情報、と定義されている。1章でマインドインタラクションを概説し、2章と3章では身近な諸問題ー生活環境の不満や課題、対人関係のストレスやトラブルーなどを、擬人化エージェントを使って改善・効率化する事例を述べている。
社会科学、認知心理学、社会心理学、哲学などの幅広い知識を用いて説明しているものの、平易な本文かつ会話調の脚注を組み合わせて、一般的なビジネス書と同列で読める内容となっている。
【目次】
第1章 マインドインタラクション
1-1 どうも上手くいかないなー身近にある諸問題
1-2 マインドインタラクション
1-3 HAIヒューマンエージェントインタラクション
1-4 人工知能AIー機械学習を中心に
1-5 擬人化
1-6 メディアの等式
1-7 エモーショナル・デザイン
第2章 人とモノのマインドインタラクション
2-1 飽きないインタラクション
2-2 モノへの愛着と畏敬
2-3 人はコンピュータに従うのか
2-4 マシンの気持ちがわからない
2-5 空気を読むロボットーコミュニケーション空間の賢い利用
2-6 人にやさしいマシン
2-7 ナッジエージェントー人々を幸福へと導くささやかな仕組み
2-8 AIロボットってガッカリなんですけど
2-9 ITACOエージェントー家電に“憑依”するエージェント
2-10 プラクティカル・マジックー理由が付けば安心
第3章 人と人のマインドインタラクション
3-1 上司や先生と上手くいかないという普遍的な悩み
3-2 いじめや差別の問題とマインドインタラクション
3-3 バランス理論ーロボットが人間関係を壊してしまう
3-4 面と向かって注意されるのはいやーオーバーハードコミュニケーション
3-5 ロボットミームーロボットの癖がいつの間にか人に伝染しちゃう?
3-6 人から人に情動が伝染
3-7 エージェントを介した人と人のマインドインタラクション